極上の玉子は黄色ではなくオレンジ色だ。ここ京のつくね家の玉子も赤みがかったオレンジ色をしていた。自家養鶏場の有精卵らしく、コクのある力強い玉子で、親子丼にはこの玉子を3つ使うという。中央に盛られた生の黄身を突き崩して全体にまぶしながら食べていく。 醤油仕立てでほのかに甘く、山椒がまぶされた上品な味わい。ダシはしっかりしているが、あと口はとてもさわやかである。白飯の半分くらいダシに浸るほどの量である。大きめに切られた鶏肉のモモ肉が7切れほど並ぶが、火を通しすぎない生寸前のぷりぷりした歯ごたえがたまらない。鶏会席で知られる八起庵の姉妹店だけに、健康に育った鶏を使っているようだ。鶏肉自体に旨みがある。具は玉ねぎと九条ねぎ。九条ねぎは味を引き締める。 私が行った日は芽かぶと大根おろしの酢の物小鉢、山椒風味のワカメの味噌汁がついた。どちらも上品な味付けである。 京阪の丸太町駅からすぐ。お土産につくねの冷凍パック(1000円)もある。本当にうまい鶏を味わえる店である。
|